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本尊様が帰ってきた

去る3月28日 二尊院のご本尊 木造釈迦如来立像・木造阿弥陀如来立像(通称:二尊仏)が京都国立博物館 美術院より修復修理を終え、約5か月ぶりにお帰りになられました。

両体ともに、作られてから約750年の歳月が経過しており、昭和27年に美術院で解体修理したものの、特に漆層の浮きが目立ち剥落などの事象が顔部に見られたため、それを防止するために文化庁監修のもと、修復が行われました。

湿気を吸ったり吐いたりと呼吸をする木部は、僅かながら、膨張と収縮を繰り返します。対してコーティング剤として、その表面に塗られている漆層は湿気の影響を受け無いので、自然と木部と漆層の間に隙間ができます。浮いた漆層は支えが無くなり、ポロポロと剥がれ始めるのです。
ピンセットで1ミリ満たない剥がれた漆の破片を元あった場所を地道に探しだしては、筆の先で漆層のひび割れた隙間などに、特殊な溶剤を染み込ませ木部と漆層を接着させ、同じく尊像の躰表を専用溶剤を使い筆で撫でるように洗浄する作業をしていただきました。
仏像の修復を想像するに、綺麗な彩色を施されお色直しを連想しますが、文化財にいたっては、現状維持を指します。
それは、美しいお姿の保存のみならず、それらに使われている材料や工法そのものにも歴史的価値が高いため、原型をとどめて後世に伝えます。
新たに手を加えると、別ものと評価され元来の材料や工法が不明確となり、最悪の場合、文化財指定から外れるといった事例が過去にあったそうです。
これは、単純に日本から重要な歴史的資料が一つ消滅した事になります。

この様な事が無いよう、文化財保護法のもと、文化財所有者には、適切な管理が義務付けられ適宜、指導監督が入ります。具体例で言いますと、無許可での修理や移動、売買などができないように定められています。
近年では、文化財の盗難による海外流出が問題となっており、国外に出てしまうと、取り戻すのがかなり厳しい実情から、外的要因による損壊や液体散布などのイタズラ防止を含め、防犯にも力が注がれています。

今回の修復におきましては、国、山口県、長門市、住友財団の補助を受け、滞りなく帰院となりました。関係各所に深く感謝申し上げるとともに、担当いただきました山口県の伊原氏、長門市教育委員会の国近氏、緒方氏には、衷心より御礼申し上げ、筆を置く事にします。
合掌九拝
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龍伏山 二尊院

Author:龍伏山 二尊院
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